サブドメインはSEO評価への影響は?サブディレクトリとの評価の違いを解説

自社サイトで新事業用に別サイトを新たに作成したい場合には、既存の独自ドメインを活用する「サブドメイン」が選択されることがよくあります。

しかし、既存ドメインのSEO評価が新規サイトへの検索流入に影響する場合もあるため、サブドメインで立ち上げるかどうかは慎重な判断が必要です。

本記事では、サブドメインの概要やメリット・デメリット、よく混同される「サブディレクトリ」との違い、選び方について解説します。新規メディア立ち上げの際の参考資料として、ぜひご活用ください。

1.サブドメインとは?

サブドメインとは、独自ドメインの前に任意の文字列を付与し、用途や機能ごとに区切って作成されたドメインを指します。つまり、メインドメインを母体としながらも、別個のウェブサイトとして運用できる仕組みです。

サブドメインを使うことで、ユーザーは一目で提供内容を理解でき、企業側も事業ごとの管理や運営を円滑に進められます。

ブログ、ECサイト、会員専用ページなど、用途別にサブドメインを設ければ、同じブランドの枠内で多彩な情報発信が可能です。たとえば「sample.com」を所有している場合「shop.sample.com」や「blog.sample.com」といった形で用途別に複数のサイトを展開できます。もともとのドメインがもつブランドイメージや検索エンジンからの評価を活かしつつ、提供するサービスごとに独立したページをもてるのが主な特徴です。

実際の活用例として、日本の大手オンラインショッピングモール「楽天市場」を見てみましょう。基盤となるドメインは「rakuten.co.jp」ですが、サービスごとに異なるサブドメインが設けられています。たとえば「travel.rakuten.co.jp」では旅行サービスに特化し、「books.rakuten.co.jp」では書籍の購入が可能です。

また、サブドメインはレンタルサーバーや管理画面を通じて簡単に設定できるため、企業だけでなく個人サイトでも活用されています。

1-1.ドメインとは?

ドメインとは、インターネット上でWebサイトを識別するための「住所」のような役割をもつ名称です。URLの中で「https://」の後に続く「◯◯.com」や「〇〇.jp」などがドメインとなり、ルートドメインとも呼ばれます。利用者はドメインを入力することで、迷うことなく目的のサイトにたどり着けます。

たとえば、アマゾンジャパンの公式サイトである「https://www.amazon.co.jp」は「.jp」を用いたわかりやすい事例です。

ビジネス・個人活動を問わず、独自ドメインを取得することは信頼性やブランド力の強化につながり、インターネット上で存在を示すために不可欠です。

1-2.サブディレクトリとは?

サブディレクトリとは、独自ドメインの後に「/(スラッシュ)」を付け、その後に任意の文字列を加えることでつくられるURL構造を指します。たとえば「https://webosque.com/case-studies」や「https://webosque.com/service」のように、大元のサイトの中でテーマやカテゴリーごとに整理する際に用いられます。フォルダ分けのようなイメージで、ページを管理できるのが特徴です。

サブドメインは独立したサイトとして検索エンジンに認識されるのに対し、サブディレクトリは本体サイトの一部として扱われます。また、サブディレクトリの場合は新たなサーバー設定が不要なことが多く、管理の手間がかかりません。

ブランド全体のSEO効果を集中させながら、多様な情報を効率的に整理できるのがサブディレクトリの大きな役割といえるでしょう。

2.サブドメインのメリット

サブドメインを用いてサイト制作をするとどのようなメリットを得られるでしょうか。

サブドメイン活用による主な効果を解説します。

2-1.大元となるドメインの評価を引き継げる

本体ドメインのもつ評価を引き継げる点は大きなメリットです。

Googleは公式に「サブドメインとサブディレクトリのどちらを使っても検索順位への影響は特にない」と明言しており、サブドメインは親ドメインの信頼性やSEO効果についてある程度恩恵を受けられると考えられます。すでに検索上位を獲得しているサイトであれば、その評価がサブドメインにも反映されやすく、新規に立ち上げたWebサイトをゼロから育てる必要がありません。

だし、サブドメインは技術的には独立したサイトとして扱われるため、Googleサーチコンソールには個別登録が必要です。GA4では別途登録やクロスドメイン設定は不要になりましたが、データを閲覧する場合にフィルタリングをする等の手間が発生することがあります。

参考:Google検索セントラル「サブフォルダやサブドメインを使用するメリットの有無

2-2.新たにドメイン取得する費用や工数がかからない

新しくドメインを取得するための費用や手間を省ける点もサブドメインの魅力です。

通常、別サイトを立ち上げるときは独自ドメインを購入し、契約やサーバー設定といった細かな作業が発生します。しかし、すでに所有しているメインドメインがあれば、サブドメインを追加するだけで新しいサイトを運営できるため、追加費用が発生しません。

さらに、サブドメイン名は自社ドメインをベースとするため、他社と重複する心配もなく、ブランドとの一貫性を保ちながら展開することが可能です。新規事業や特化サービスを展開したいときでも、サブドメインなら短時間でサイトを立ち上げられ、余分なコストを抑えつつ効率的に運用できます。

2-3.複数のWebサービス展開を同一テーマで行え、ブランディングに寄与する

サブドメインを使用すると、同一のテーマやブランドのもとで複数のWebサービスを展開できます。

たとえば「news.〇〇.com」や「shop.〇〇.com」のように、大元のドメインを活かしたURLがあると、ユーザーは「同じ企業が運営している」と直感的に理解できます。もしサービスごとにまったく別のドメインが設定されていた場合、異なる会社が運営しているようにユーザーも感じてしまい、信頼性や統一感が薄れてしまうかもしれません。

しかしサブドメインなら、親ドメインの知名度や信頼をそのまま活かせるため、新サービスを立ち上げてもユーザーに受け入れられやすく、結果としてコンバージョン率の向上にもつながります。そのため、サブドメインは効率的なサービス展開とブランディング強化を両立できる有効な手段といえるでしょう。

3.サブドメインのデメリット

一方で、サブドメインを使用するデメリットも存在します。具体的には以下のとおりです。

3-1.大元となるドメインの評価が下がった際に、影響を受ける可能性がある

サブドメインはメインドメインの評価を継承できる点が大きな強みではあるものの、一方で本ドメイン評価が下落した際には悪影響を受けやすくなるリスクを伴います。

たとえば、本ドメインのサイトが検索エンジンからペナルティを受けた場合、サブドメインも同様に検索順位の下落やインデックス削除といった影響を受けるかもしれません。強いドメインに属すると恩恵を得られますが、反対に負の評価も共有されてしまいます。

そのため、サブドメインを利用する際には、メインサイトの運営状況やコンテンツ品質を常に良好に保つことが必要です。メインドメインの評価低下によるリスクを避けたい場合は、サブドメインではなく別の独自ドメインを取得して運営する方法も検討しましょう。

3-2.サブドメインごとにドメイン設定が必要になる

サブドメインごとに個別のドメイン設定が求められるのもデメリットとなるでしょう。

新たに立ち上げるサイトはメインドメインの配下につくられるとはいえ、検索エンジン上では独立した存在として扱われます。そのため、大元のドメインで行った各種設定が自動的に反映されないことが多いです。

特に、セキュリティを確保するためのSSL証明書の導入やリダイレクト設定、サーバー側での管理作業もサブドメイン単位で行う必要があります。設定や管理作業を怠ると、サイトの安全性や利便性が欠けるだけでなく、検索エンジンからの評価低下にもつながります。

サブドメインによって利便性やブランディングの幅は広がるものの、立ち上げによる運用管理の負担が大きくなる点はマイナス要素となるかもしれません。

4.サブドメインとサブディレクトリはどちらがSEOに有利?

サブドメインとサブディレクトリのどちらを使えばSEO上有利になるのか、と疑問を抱く方は少なくありません。

しかし結論から言えば、検索順位そのものには大きな差はありません。先述したとおりGoogleは公式に「サブドメインとサブディレクトリは同等に評価される」と明言しており、構造の違いが直接SEOの優劣を生むことはないといえます。

重要なのは、検索エンジンではなく利用者の目線で判断することです。

たとえば、サービスやコンテンツのジャンルごとに独立性をもたせたいならサブドメイン、同じテーマ内で整理して見せたいならサブディレクトリが適しています。あくまでもユーザーにとってわかりやすいことや利便性が高まるかどうかに焦点を当てて選択すべきです。

また、サイト運営の目的やブランド戦略に合わせて構築することが、検索評価以上の成果につながります。

5.サブドメインとサブディレクトリの選び方

前の項目でも少し解説しましたが、サブドメインとサブディレクトリのどちらを選択すればよいか悩む場合には、以下の視点で考えてみると決めやすくなります。

5-1.サービスの用途と方向性で選ぶ

​​サブドメインとサブディレクトリは、どちらもサイト構造を整理するための手段です。しかし、それぞれの役割や用途は異なります。

サブドメインは「service.〇〇.com」のようにメインドメインから独立したURLを割り当てるため、同じブランドの中でもテーマが大きく異なるサービスや事業を行う場合に有効です。たとえば「shop.〇〇.co.jp」では通販事業を、「uranai.〇〇.co.jp」では占いサービスを展開し、利用者にサービスの違いを明確に伝えます。

一方でサブディレクトリは「〇〇.com/category」のように階層構造をつくり、同一テーマの中でコンテンツを整理するのに向いています。例を挙げると、ペット情報サイトで「/dog」「/cat」とカテゴリーを分けるイメージです。

そのため、異なる領域を展開したい場合はサブドメイン、同じ分野を細分化したい場合はサブディレクトリといったように、用途に合わせて柔軟に選択するのがよいでしょう。

5-2.サブディレクトリが良いケース

サブディレクトリが最適な例としては、メインドメインのSEO評価がまだ十分に育っていない場合が挙げられます。

サブドメインは大元のドメインの影響を受けつつも独立したサイトとして扱われるのが特徴です。そのため、基盤となるドメインが弱いと地道に評価を積み上げなければならず、時間やコストがかかります。

しかし、サブディレクトリであればメインドメインの付随ページとして認識されるため、新規に立ち上げたページも検索エンジンから早い段階で発見してもらえるでしょう。また、同じテーマや関連性の高い記事を整理して掲載する場合には、サブディレクトリを活用することでサイト全体の専門性や一貫性を示せます。

そのため、基盤を強化していく段階ではまずサブディレクトリを選び、その後状況に応じてサブドメイン展開を検討する方法がおすすめです。

Webサイトのテーマや目的に応じてサブドメインにすべきか判断しよう!

サブドメインによるサイト制作は、用途の異なるサイトを複数展開したい場合に有効な方法です。大元のドメイン評価を引き継げるだけでなく、サイト立ち上げにかかるコストや時間を大幅に短縮できたり、ブランディングを強化できたりします。

よく混同されるサブディレクトリとは使用目的が異なるため、自社サイトの方向性に応じて柔軟に使い分けながら、良質なサイトを構築していきましょう。

サブドメインを活用してSEO効果を高めるサイトを制作するのであれば、専門家のアドバイスをもらいながら効率的に作業を進めるのもおすすめです。

Webosqueは、集客率を向上させるためのサイト制作支援を行っております。サイトの目的に応じて全体設計を行い、ページごとに上位化を狙える構成案をご提案します。デザインや実装、既存サイトのリニューアルまで幅広い範囲でご対応が可能です。

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