SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で「検索エンジン最適化」を意味します。SEOはGoogleなどの検索エンジンで自社サイトを上位表示させられるよう、サイトを改善する行為です。
検索エンジンで上位表示されると、検索結果からの自然流入(オーガニックトラフィック)が増加し、売上やリード獲得などの成果向上が見込めます。
本記事ではSEOについて、基本的な考え方だけではなく短期・長期の施策について紹介します。押さえておくべきGoogleの考え方についても詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
SEOとは?
SEOとは前述したとおり「検索エンジン最適化」を意味する言葉で、Googleなどの検索エンジンに自社サイトを適切に評価してもらい、検索結果で上位表示されやすくなるために講じられる施策を指します。
なおSEOは広告枠を除いたオーガニック検索(自然検索)で表示される枠での上位表示化を目指すものです。
SEO対策(SEO施策)とは
SEO対策(SEO施策)はSEOと同義で使われる言葉です。SEO自体が検索エンジンで上位表示されるために講じる施策のことを指しますが、より伝わりやすいように「対策」や「施策」を付けて話されることがあります。
本記事では「SEO」「SEO対策」「SEO施策」を、同様の用語として併用して記述していきます。
SEO対策の種類
SEOは大きく3種類の施策に分けられます。ユーザーにとってわかりやすいサイト構造や内容にすることを目的として行われるものです。
では、それぞれの施策についてどういったものか詳しく見ていきましょう。
コンテンツ施策(コンテンツSEO)
コンテンツ施策(コンテンツSEO)とは、自然検索流入を目的としたコンテンツを作成し、自社サイト上で発信することを指します。ユーザーの検索意図に応えるべく、対策すべきキーワードを選定し、コンテンツを充実させる施策全般のことです。
発信したいコンテンツを探している人(検索している人)に届けるためには、適切な検索キーワードの検索結果に自社コンテンツが上位表示される必要があります。
検索需要のあるコンテンツの新規制作のほか、タイトルの改善や、それぞれのコンテンツページに内部リンクや適切なCTAを設置することが大切です。また、ファクトチェックをしっかりと行い、品質の高いコンテンツにブラッシュアップすることなどが挙げられるでしょう。
コンテンツ品質がユーザーにとって有益なものであることが、SEOの重要な評価ポイントです。そのため、コンテンツ施策は力を入れて取り組むべき施策の一つといえます。
内部施策
内部施策とは、サイトの構造設計や内部リンクの最適化、HTML要素の調整など、自社サイト内の改善によって実施できるSEO対策のことを指します。
内部=自社サイトという考え方になるため、技術的な体制があれば原則すべて自社で対応可能な領域といえます。
施策の具体例としては、パンくずリストや内部リンク構造の最適化、サイト導線の改善、メタディスクリプションの適切な設定などが挙げられます。エンジニアや制作パートナーがいれば幅広く対応できますが、十分な体制がなくても取り組みやすい施策も多い点が内部施策の特徴です。
なお、短期でも取り組みやすい施策については後ほど詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
外部施策
外部施策とは、別のドメインを持つサイトに自社サイトをリンクしてもらう施策(被リンクを集める施策)を指します。
被リンクを集める施策というと、過去にはステマなど自作自演でも評価対象になっていましたが、検索エンジンの現在の評価システム(アルゴリズム)では通用しません。
また、グループ企業や公式パートナー、取引先など、実際の関係性がある企業との間でリンクを設置し合うことで、事業上のつながりをWeb上でも明示できるため、適切な範囲での相互リンクも有効な外部シグナルとなります。
また、SNSでの情報発信や業界ポータルサイトへの掲載、プレスリリース配信など、外部での露出を高める取り組みが結果的にリンク獲得につながるケースもあります。これらも広い意味で、外部施策です。
短期でも取り組みやすいSEOの基本施策
上記で紹介した以外にもSEOを意識して取り組める施策は非常に多く、SEOを専門として従事していない限りは、自社に必要な施策がどれかを適切に見極めるのは難しいケースがほとんどです。
本章では初めてSEOに取り組む担当者さま向けに、短期で実施できる取り組みやすいSEOの基本的な施策を抜粋して紹介します。
具体的にどのような観点で施策を行えばよいかもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
| 短期でも取り組みやすいSEO施策 | 概要 |
|---|---|
| タイトル・メタディスクリプション・リード文の改善 | ・いずれも簡潔にわかりやすく記載 ・タイトルはキーワードを盛り込み30〜32文字程度を推奨。 |
| 競合調査によるコンテンツの改善 | ・対象キーワードで上位表示されているページとのコンテンツを比較し改善する(不足を補う) |
| 内部リンクの設置 | ・関連性の高いページ同士を積極的にリンクで繋げる |
| 適切なCTAの設置 | ・ゴールとなるコンテンツにはCTAを設置し、ユーザーを解決に導く |
| オリジナル画像による補足 | ・文章だけではわかりにくいコンテンツには積極的に画像を作成し補足する |
| 外部リンクの獲得 | ・取材先などに掲載依頼、プレスリリースによる露出などで自然なリンク獲得につなげる ・参照価値のあるコンテンツを発信する |
タイトル・メタディスクリプション・リード文の改善
まずは自社コンテンツのタイトル・メタディスクリプション・リード文をわかりやすく改善するところから始めましょう。
タイトルは対策キーワードを適切に配置し、完結にわかりやすくコンテンツの内容を伝えられるタイトルにしましょう。文字数は30〜32文字程度が理想です。
メタディスクリプションは検索順位に直結するものではありませんが、検索結果で表示された場合のクリック率(CTR)に影響します。クリック率が高いページはユーザーに求められていると判断されやすく、結果的に検索パフォーマンス全体の改善につながる場合があります。
そのため、ページの価値や内容が適切に伝わるメタディスクリプションを設定することが望ましいでしょう。
競合調査によるコンテンツの改善
対策キーワードで検索するユーザーがどのような情報を求めているかを理解し、自社のコンテンツがそのニーズを満たせているか調査することも大切です。この取り組みを競合調査といいます。
具体的な方法としては、対策キーワードで表示されている上位ページのコンテンツを確認し、自社のコンテンツに不足している要素がないかを確認します。上位コンテンツとの差分がある場合には、それをヒントにユーザーが知りたいことを予測し、自社が発信しているコンテンツの内容を充実させることが大切です。
また、検索結果に出てくる「関連する質問」や「他の人はこちらも検索」のキーワードも参考に内容を考えましょう。検索結果にでてくる複数のキーワードを参考にすることで、ユーザーのニーズを理解しやすくなるケースもあります。
内部リンクの設置
内部リンクの設置とは、自社サイト内の関連するページをリンクでつなげることです。関連性の高い内部リンクを設置することで、ユーザーが興味のある情報にアクセスしやすくなり、結果として自社サイト内の回遊性が高まります。
検索エンジンのアルゴリズムでは、サイト内の滞在時間も評価対象です。回遊性を高める=滞在時間を増やすことで、自社サイト全体の評価が高まり検索上位に表示されやすくなります。
また内部リンクの最適化によって、クローラビリティやページ間の関連性を検索エンジンが評価しやすくなる利点もあります。
適切なCTAの設置
適切なCTAを設置することは、売上やリード獲得といった自社の成果につながるだけでなく、ユーザーが次に取るべき行動を明確にできるため、サイト内での離脱を防ぎやすくなるというメリットがあります。
CTAが機能すると、内部リンクと同様に回遊性が高まり、直帰率の低下も期待できます。
さらに、CTAを経由してコンバージョンしたユーザーは、検索意図が満たされた状態でページを離れるため、再検索も起こりにくいでしょう。
これは検索エンジンにとっても「ユーザーのニーズを満たしたページ」と解釈しやすい行動パターンであり、中長期的には高評価につながる可能性があります。
CTAは全てのコンテンツに無作為に設置するのではなく、ユーザーのニーズを満たせる導線になっているか注意深く判断しながら設置することが大切です。
なおコンテンツを制作する際に、カスタマージャーニーマップやペルソナを作成しておくと、導線を設計する際にも重宝するのでおすすめです。
オリジナル画像による補足
コンテンツの内容を補足する図表や解説画像は、ユーザーの検索ニーズを満たすだけではなく、他社サイトからのリンクを獲得する観点でも有効です。
特に一般的には理解しにくい構造や概念、フロー図や図表など一覧で見せた方がわかりやすい内容には積極的に画像で補足をしましょう。
外部リンクの獲得
外部リンクを獲得する方法にも短期で取り組める施策がいくつかあります。
取材記事やインタビュー記事を制作している場合、取材先企業のサイトで紹介してもらい、記事へのリンクを設置してもらうという方法は比較的交渉しやすいリンク獲得施策です。
また、一次情報となる独自の調査データを公開したり、変化の大きいテーマの最新情報を迅速に更新することも、他サイトから引用されやすくなるため、外部リンク獲得に効果的です。
さらに、コンテンツの種類によってはプレスリリースを配信することで、ニュースサイトや業界メディアに取り上げられ、結果的に外部リンクを得られるケースもあります。露出が高まるほど、自然にリンクを獲得できる機会が増える点もメリットです。
検索エンジンで順位が決まる仕組み

ここからは、より専門的にSEOを理解するために、検索エンジンの仕組みについて理解していきましょう。
Googleでは「ウェブクローラー」というソフトウェアを使用してWeb上にあるページを見つけ、その内容を把握した上でデータベースに登録しています。
検索結果に掲載されるまでには、クロール・インデックス・ランキングという3つの主要なプロセスが関わっています。
これらの仕組みがどのように機能しているのか、以下で詳しく見ていきましょう。
参考:Google Search Central「Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について」
クロール
クロールとは、Web上に公開された新しいページや更新されたページを、検索エンジンが検出し取得する仕組みを指します。ウェブクローラーは常にインターネット上を巡回しているため、基本的にはサイト側で特別な対応をしなくても、新しいページは時間とともに認識されます。
ただし、新しいページをできるだけ早くクロールしてもらいたい場合は、既存ページから内部リンクを貼る、XMLサイトマップにURLを追加するといった方法が有効です。検索エンジンがページの存在を把握しやすくなり、クロールの発生を促しやすくなります。
インデックス登録
クロールで新しいページを認知すると、Googleはそのページを把握する作業に入ります。これをインデックス登録と言います。
インデックス登録では、まずはそのページが重複コンテンツ(コピーや類似ページ)ではないかを判断されます。この段階で正規ページと判断されれば、検索結果に表示されるインデックスグループに保存されます。
なお、重複ページ以外にも、デザインの問題でインデックスが困難なケースがあります。詳しくは以下のページをご参照ください。
参考:Google「ウェブサイトのデザインが原因でインデックス登録が困難になっている」
検索結果の表示
問題なくインデックス登録されていれば、ユーザーが検索した際に検索結果に表示されます。検索順位はコンテンツの品質やユーザーの滞在時間など、さまざまな要素をGoogleが多面的に評価した結果です。
なお、検索結果では位置情報も考慮されるため、同じキーワードを検索しても国や地域が異なると検索結果も異なることがあります。
Googleが重要視している考え方
近年のGoogleが重要視している考え方は「ユーザーにとって有益な情報かどうか」です。いわば、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供できているページであれば、小手先のSEO施策を行わずとも検索結果の上位に表示されるとも解釈できます。
では具体的に、Googleが重要視している価値観とはどのようなものか、実際のGoogleの発信をもとに見ていきましょう。
Googleが掲げる10の事実
Googleが掲げる10の事実の最初の項目には、以下のメッセージがあります。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Googleのアルゴリズムはこのメッセージのとおり、ユーザーにとって最適な検索結果が表示されるよう、常にアップデートされていると考えられます。
また、10の事実では他にも「遅いより速いほうが良い」など、サイトを作るうえで参考になる考え方があります。ぜひ一度参照してみてはいかがでしょうか。
参考:Google「Google が掲げる10の事実」
Google検索の基本事項
Google検索の基本事項では、検索結果に表示させるための技術的要件や、スパムと判断される基準、上位表示されるための手法のヒントなどが記載されています。
SEOに取り組む際には必ず目を通すべき内容ですので、まず一読するのがよいでしょう。
参考:Google Search Central「Google 検索の基本事項」
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド
検索エンジン最適化(SEO)スターターガイドは、Googleが公表しているベストプラクティスです。SEOを行ううえでの基本と考え、必ず目を通しましょう。
たとえば有益なサイトに必要な要素は以下のように記載があります。
現在すでにSEOに取り組んでいる場合でも、定期的に見返すことで自社サイトの抜け漏れや改善点が見つかるヒントにもなるでしょう。
参考:Google Search Central「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」
Google検索品質評価ガイドライン
Google検索品質評価ガイドラインは、Googleの検索アルゴリズムを改善するために利用されている、人間の評価者向けのガイドラインです。
基本的には内部者が利用するものですが、一部一般公開されているためGoogleが重視する品質基準を参考にできます。
参考:Google「Google検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)」
長期で継続的に取り組む本質的なSEO施策
SEOは本質を捉えた対策ができれば、長期的に効果が蓄積するマーケティング施策の一つです。その本質とは繰り返しになりますが「ユーザーにとって有益な情報を発信すること」に尽きます。
この前提を踏まえたうえで、これから紹介する4つのポイントは短期施策とは異なり、時間をかけて積み上げる資産としての施策です。
中長期でのSEO成果は、ここにどれだけ投資できるかで大きく変わります。
検索意図に寄り添った品質の高いコンテンツを作成する
ユーザーの検索意図を適切に把握して、そのニーズに寄り添った品質の高いコンテンツを作成することが最も重要なポイントです。大前提ではありますが、本質を見失ってしまうとユーザーのニーズに合致しないコンテンツになってしまう懸念があります。
検索意図は単にキーワードから連想される目的だけではなく、以下のような内容を踏まえ、検索結果全体から読み解くことが重要です。
- 検索結果上にどのようなタイプのページが並んでいるか
- 情報収集・How to・比較・取引のどの検索意図が中心か
- 検索エンジンがどの意図を優先しているか
また、すでに上位表示されているページを参考にするのは有効な手段ですが、Web上で十分に情報発信がされ、さらに検索エンジンがそれを適切に発見・表示させているとは限りません。
既存の検索結果以外の要素を求めている可能性も加味しつつ、作成するコンテンツの方向性を決めると、より深みのある内容に仕上げられるでしょう。
信頼性の高い一次情報・最新情報を取り扱う
一次情報とは、自社独自の調査データ、専門家の知見、現場から得られた経験、実績に基づく数値など、外部では入手できない独自の情報を指します。一次情報は従来のSEOにおいても非常に価値が高いものでしたが、近年では AIを活用した情報探索 が一般化したことで、その重要性がさらに増しています。
生成AIは、一般的な情報や既にWeb上に広く存在する内容であれば自ら生成が可能です。しかし、独自のデータや現場の知見、固有の事実はAIでは生成できず、必ず「信頼できるソース」を参照する必要があります。
このため一次情報を持つサイトは、以下のような機会が増え、AI経由での露出が自然に高まる可能性があるでしょう。
- GoogleのAI要約で引用される
- ChatGPTやGeminiの回答の参照元として選ばれる
また時事情報を扱うコンテンツの場合は、常に最新情報を発信できるようコンテンツを定期的に更新したり、新しく作成したりすることが大切です。競合サイトよりも早く情報を発信できれば、ユーザーにとって有益なサイトとして認知されるでしょう。
E-E-A-Tを意識したコンテンツを作成する
E-E-A-TとはGoogleの検索品質評価ガイドライン(General Guidelines)で、サイトの評価を決める際に重視されている項目です。
以下4項目の頭文字を取った造語で、ダブルEATとも呼ばれます。
- E:経験(Experience)
- E:専門性(Expertise)
- A:権威性(Authoritativeness)
- T:信頼(Trustworthiness)
なお上記の中で最もGoogleが重視しているのは「T:信頼(Trustworthiness)」です。以下、Google Guidelineからの本文日本語訳を抜粋します。

信頼性(Trustworthiness)は E-E-A-T ファミリーの中で最も重要な要素です。
というのも、いかに経験・専門性・権威性が高く見えても、それでも信頼できなければ、ページの E-E-A-T は低くなります。
たとえば、金銭詐欺を行う人が高度な経験・専門性をもち、詐欺界の「ゴー・トゥー」になっていたとしても、それは信頼できる情報源ではないためです。
経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)は、信頼性(Trustworthiness)を評価する上で支えとなる重要な概念です。
引用:Google「General Guidelines(検索品質評価ガイドライン)」
E-E-A-Tを意識してコンテンツを作成するには以下の点に注意するとよいでしょう。
| 注意点 | 具体例 |
|---|---|
| 著者やソースを明確にすること | 引用・参考データがある際は文献としてリンクを記載する |
| サイトの運営者(運営会社)を明確にすること | 会社情報を充実させる・個人の場合はプロフィールを記載する |
| なるべく根拠を明確にすること | 調査結果であれば調査方法や検証人数などを明記する |
なお、保険や金融商品、医療コンテンツなど人の生活やお金に影響を与える専門性のジャンルのコンテンツはより厳密なE-E-A-Tが求められます。
このようなジャンルをYMYL(Your Money or Your Life)といいます。
YMYLに該当するコンテンツでは、該当するジャンルの資格保有者や権威者などが監修者・著者となっていたり、内容の根拠が明示されていたり、発信者(サイトの運営会社)が専門的な機関だったりすることで、信頼性の高いコンテンツと認められやすくなります。
サイト全体のユーザビリティを向上する
サイト全体のユーザビリティを向上し、ユーザーにとってストレスのないサイトにすることもSEOでは必要なポイントです。
ユーザビリティとは、サイトスピードなどの操作性やデザイン・導線などの視認性を含めた「サイトの使いやすさ」全般の機能を指す言葉です。サイト全体としてユーザーにストレスなく閲覧・回遊できるよう設計するようにしましょう。
これには画像や動画を含むページ読み込みスピードから、広告の位置や表示形式、フォントの大きさや種類、CTAの位置なども含まれます。
GA4などの計測ツールで定期的にユーザーの行動を観察し、離脱が多いポイントなどは都度改善していくとよいでしょう。
生成AIを意識したSEO対策とは
私たちの生活に着実に浸透してきている生成AIの機能は、SEO対策でも考慮すべき部分があるのでしょうか。ここではいくつかの参考ソースに基づき、生成AIとSEOの関係性について読み解いていきましょう。
結論からいうと、基本的な考え方や戦略は既存のSEOから大きく変更する必要がないという見解が示されています。
AI時代でも”良いSEO”が生成AIに対しても良い対策となる前提があります。ユーザーファーストのコンテンツ思想に基づいてサイトを設計・運営していく方針はこれからも変わらずに重視されていくでしょう。
以下で詳しく説明します。
基本的には通常のSEO対策と大きく変わらない
国際SEOコンサルタントのLily Ray氏は「基本的には現在取り組んでいるSEO戦略を大きく変える必要はない」と洞察しています。
その上で、AI Overview(AIO)内での順位や、生成AIが頻繁に参照している可能性があるサイト(Gartner、Forbes、Wikipediaなど)に自社が言及されているかを把握することは重要だとの見解を示しています。
AIOでの順位は基本的には目視で確認が可能ですし、特定のサイトで自社が引用・言及されているかはGoogle Seach Consoleなどの計測ツールで確認が可能です。
参考:YouTube「【Lily Ray(リリー・レイ)氏に聞く】2025年SEO戦略|AI検索・GEO/LLMO時代の対応法」
従来のSEOとAI検索最適化(LLM SEO・AI SEO)との関係
AIの活躍により大きくSEO戦略を変更する必要はないという一方で、SEOの一部の戦略をより徹底することで、AI検索の観点でも効果が見込めることが報告されています。
Vercel社は従来のSEOとAI検索(LLM SEO・AI SEO)で重視される要素、それぞれの共通部分について以下のようにまとめています。日本語訳は、以下のとおりです。
| 従来のSEOで重視だった要素 | AI検索(LLM SEO / AI SEO)で重視される要素 | どちらでも重要な共通要素 |
|---|---|---|
| 被リンク(他サイトからのリンク) | 内容が検索意図や文脈に合っているか | クロール可能でインデックスされるページ構造 |
| 検索ボリューム中心のキーワード選定 | ユーザーの自然言語クエリ(会話で使用するような言葉)による質問・表現への最適化 | H1→H2→H3のような明確な見出し構造 |
| 検索結果(SERP)での順位向上 | RAG(検索+AI生成)に取り込まれるための情報の見つけやすさ | 継続的な情報更新と鮮度維持 |
| アンカーテキスト最適化 | 概念の明確さ・専門性の一貫した提示 | 構造化データ(FAQ、記事情報など)の活用 |
| メタディスクリプション最適化 | AIがそのまま引用しやすい、独立した短い説明文 | 関連トピック同士の内部リンク |
| リンクエクイティ(リンクによる評価) | GitHub、Redditなどの外部コミュニティでの言及 | 高速に表示される静的ページ(HTML/CSS中心) |
引用:Vercel「How Vercel’s adapting SEO for LLMs and AI search – Vercel」
SEO対策のメリット・デメリット
SEOは自社でWebサイトを持っているのであれば、取り組んで損はない取り組みではありますが、即効性を求める場合などには不向きです。
SEOに取り組む際には、その特性を社内できちんと理解し、効果が出るまで腰を据えて継続できる体制づくりをしましょう。
ここでは、SEOに取り組むメリットとデメリットを簡単に紹介します。
メリット
SEO対策によるメリットは、自然検索によるサイト流入数の増加や、長期的な集客効果が挙げられます。
オーガニック検索によるサイト流入数が増える
SEOはオーガニック検索(自然検索)での上位表示を狙う取り組みですから、検索上位に表示されるページが増えればその分サイト流入数も比例して増える点が大きなメリットです。
また、リスティング広告のようにクリックされることによる課金は発生しないため、社内で対応できればコストをかけずに流入を増やせます。もしSEOの専門会社に対策を外注した場合でも、対策にかかったコスト以上の費用はかからない点が特徴です。
コンテンツが資産となり、長期的な集客効果が期待できる
質の高いコンテンツは、時間が経過しても読まれ続けます。もちろん、古い情報を新しくするなどの定期的なメンテナンスは必要ですが、一度しっかりとつくり込んだコンテンツが時間が経っても評価され続けるケースは少なくありません。
また、継続してコンテンツを発信し続けることで、自社サイトにコンテンツが溜まっていきます。豊富な情報を提供しているサイトとしてGoogleに評価されれば、E-E-A-Tの観点でも有利なため、結果として長期的な集客が見込めるでしょう。
デメリット
一方で、SEO対策をする際の注意点やデメリットとして、時間や費用がかかる点が挙げられます。順番にみていきましょう。
広告施策に比べ効果が出るまでに時間がかかる
SEOに取り組んでからGoogleに評価されるまでには、一定の時間が必要です。単一ページでは即時評価されることはあれど、施策全体で見ると一般的には3カ月から半年ほどは様子を見た方がよいとされています。
そのため、季節性のキャンペーンなど即時的な成果を求める場合には不向きなケースが多いです。
一方で、自社のブランド認知を進めたり、見込み顧客との関係構築を狙ったりなど、いわゆるCRMとの相性は良いのだ特長です。
SEOに取り組む際には効果検証のタイミングを急ぎすぎず、中長期的な目線でのKPI設定を心がけましょう。
コンテンツを作成する時間と費用がかかる
SEOの主軸施策の一つともいえるコンテンツは、質の良いものをつくろうとするとそれなりの労力がかかるものです。
基本的なコンテンツ作成の手順としては、ペルソナの作成・発信する方向性の決定・キーワード選定を行ったのち、コンテンツの構成や執筆、監修作業といった流れで進めます。
これらの業務を外注した場合は、その分の費用が発生します。一方で、社内にて内製化する場合は、それなりの人員リソースやSEOに精通した人材が必要です。
なお、SEOを外注した際にかかる費用については次の章で詳しく紹介します。
SEOを外注した際の費用相場
SEOはきちんと取り組もうとすると、専門的な知識が必要になってくる場面が多々あります。社内にもしSEOの知見がなければ、外注パートナーを検討することになるでしょう。外注を検討する際の費用相場は以下のとおりです。
| 施策名 | 費用相場 | 概要 |
|---|---|---|
| SEO総合コンサルティング | 30万円〜100万円/月額 | ・SEO全体を総合的に支援・実施も含まれる場合が多い |
| SEOサイト設計コンサルティング | 10万円〜80万円/月額 | ・SEOの視点でサイトを設計・改善する支援 |
| コンテンツ施策 | 3万円〜20万円/記事単価 | ・SEOに基づいて記事を作成する支援 |
| 内部施策 | 30万円〜/単発 | ・SEOの視点でサイトの設計を見直す支援 |
| 外部施策 | 1万円〜15万円/月額or成果報酬型 | ・被リンクを獲得する支援 |
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SEO対策の具体的な施策事例
ここまでSEOに関する基本的な考え方や施策について紹介してきました。もしSEOに取り組む際に、外注を検討するのであればぜひ株式会社Webosqueにご相談ください。
本章では当社が携わったSEO施策事例について、成果をまとめたものを紹介します。
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対策キーワード上位表示率81%!社内外から評価される本質的な内容を意識したコンテンツ制作の背景
SEOの基本はユーザー視点を忘れないこと
ここまでSEOとはどのようなものか、施策の主軸となる考え方や具体的な施策内容に至るまで、網羅的に解説をしてきました。
本記事を読めば、SEOについての基本知識は取得できたと思いますが、まだ深掘りをして知りたいことがある場合は、ぜひ当社の「WeboLog(ウェボログ)」の記事を参考に理解を深めていってください。
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